http://www.1300.jp/news/H21kenminsien2.pdf
これでは支援金のばらまきどまり。団体同士の連携や協働を図ろうとは考えないようだ。


メールの記録
あらい日誌の愛読者より。
まずお願いから。
<県庁周辺文教ゾーンの光>
5月、外遊の直前、5月16日、奈良女子大学100周年記念
http://www.nara-wu.ac.jp/news/H21news/090516/090516.htm
で「野口学長の挨拶に始まり、本学附属高校卒業生である奈良県知事荒井正吾氏のユーモア溢れる挨拶により会場が大いに沸いた・・・」とありますが、この奈良セレブ空間を越えて、県民にもその内容をご記憶の範囲でお知らせいただければと願います。
たまたま検索していて
西村一朗元副学長のブログを発見、学研都市への要望などお伝えくださったようですが、同じ思いです。
http://blog.goo.ne.jp/in0626/e/f5d446732f44d463d97e51296f8d8b41
20年前はローカルメディアとして取材し卒業生の小倉遊亀画伯による緞帳「爛漫」が披露され、カナダで人命救助をした勲章の絆創膏を貼った薬師寺持統天皇こと安田夫人がおられて、小倉画伯はじめ実に骨太な女性の声を拝聴でき、
その後10年前の90周年では知己のインド人女性学者が招かれて講演していたのを後で知り、今回はHPで知るに止まっております。

奈良には法学や工学という日本近代のインフラ学部がない代わりにこの日本で2つの女子教育の府が設けられたことは
実に重要なアジア史的な貢献につながっているとアフガンおよびイスラムにおける女子教育支援プログラムに痛感。
とくに新彊ウイグル自治区で思想的な紛争を超えて、習俗調査をされた研究者のメッセージは家政学部を生活環境学部と名称変更したおりの学部長が目標とした「一周遅れのトップランナー」そのもの。

元来南都文化圏であるけいはんな学研都市の去就には奈良の出方が大きく関係してくるとここで書いても
奈良県庁の役人たちには語彙も通じないと思いますので割愛しますが、再生のヒントはこの小さな国立女子大学に所在していると直感しています。

特にこの大学におられた数学者岡潔氏の再発見と国際的共有がポストモダンの科学の視座になるという信念の故90周年と100周年をフォローできないままのジャーナリストとしての嘆きを解説に代えます。
満州事変勃発時に留学中のフランスで日本人であることの価値と意味を自らの研究に加えようとした異次元の融和を可能にする詩的才能を備えた、この数学の魂を育んだ奈良の自然と風土、さらにいえば、奈良に導いた仏文学者落合太郎、友人の秋月康夫といった人材による支援がなければ「問題数学者」に止まったかもしれないという事実も重要。
2003年頃に岡潔関連の著作が刊行され、増刷を重ねているようです。http://www008.upp.so-net.ne.jp/shonan/oka.htm
ちなみに生誕100年記念の2000年には岡氏が帰依した西田天香氏の一燈園の出版部門から刊行された程度でありました。
これは、かつて一燈園の方が法華寺傍に居住していたというお話をお聞きして法華寺のご門跡にお渡ししたままになっております。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B2%A1%E6%BD%94
奈良女子大学で手稿のデジタル文庫となっているのも有意義ではありますが、植物の成長過程とのアナロジーに「
光」への特異な反応をかつて展示を通じて直感した所感を添え。この「深い」才能を「広く」共有する装置としてのけいはんな学研都市と書くにとどめておきます。キーワードは「光」でしょう。
知事は中国陝西省則天武后ゆかりの河南省を訪問されたとのこと、洛陽と橿原市は友好都市、陝西省との
友好で京都・香川など他府県とパワフルで本質的な交流が期待でき、「光」の造形・大仏を媒介に河南省とセットにすればさらに有意義のはず。
http://www.pref.nara.jp/dd_aspx_moduleid-2928_pfromdate-337830_pfromid-1.htm#moduleid2928

<県立美術館の人形展という影>
この奈良文教ゾーンの栄えある100年が県立美術館
http://www.mahoroba.ne.jp/~museum/tenrankai.htmlでいかに展開しているのか。
4月中旬にたまたま立ち寄った奈良女子大学記念館で素晴らしいひな人形展を見かけたことから、
有料で組織的に素晴らしく構成しているのであろうと皆に知らせてきました。

5月16日土曜日午後6時頃ようやく時間を得て県立美術館の人形展を観覧。
この入場料の一般1000円はひどい。
午後9時まで延長していたけれど、担当者の方が人数が多いほど。
私以外には足の不自由な老婦人が一人を見受けた程度。
民間の玩具資料館レベル以下の内容で、いいところ、数百円だと思います。
国宝・重文てんこもりの奈良国立博物館の常設展と比べようもない。
私は学生割引の700円で入ったけれど、もし、入館料が500円ならば
1500円の図録が買うに値する構成であれば買い求めたことでしょう。
しかし、図録の構成も写真の解像度もあまり優れたものではなく、
かつ解説の小さな文字は、どういう読者を想定しているのか疑問に思いました。

さらにいえば、展示人形の中には宇和島であったか
女性たちの授産を兼ねて製作が奨励されたものもあり、
この製作体験などを企画すれば隣接する婦人会館などの所在も有意義であったはずですが・・
風土と手工芸の出会いのエレガントな歴史情報発信も
この展覧会には期待されたはずですが。

次の週には今井町まち歩きイベントがあり、ここにおけば入場に誘われる人も
できるかもしれないと考えていくつかパンフを持ち帰りましたが、
わざわざ出向いた人に同じ思いをさせては申し訳ないと配置はしませんでした。
観覧することで「おもわず人に話し勧めたくたくなる」展覧会であって欲しかったと思います。

また、この県立美術館では過去に「志賀直哉の空想美術館」や「森川杜園展」などの独自企画を
展開してきているはずですが、その過去の図録を読む場所さえもなく展示さえもされていません。
また、シルクロード草原の道の図録は出展本国の図録を兼ねて制作され、そのいくつかは
戦火で消滅したものもあり、重要なメッセージでもあります。
多くの美術館に見られるように図書部門を設けることは新営計画に当然盛り込まれ
かつ、その図書部門は課金なくとも入場閲覧できる仕組みになっていることと期待しています。

たとえば、万葉文化館と運営を一体化または連携させることにより、あるいは隣の文化会館2階と開閉式の
歩道を設けて連結させ、文化会館の2階にはシルクロード博記念財団の図書部門を移設させる形で、かつて
近鉄奈良駅ビルに所在していた時期のにぎわいを回復することは奈良公園の国際的観光ゾーン化に極めて有意義であると
思います。
さらに、万葉文化館も図書なども北部で購入でき、かつクレジット対応を図れば、展示されているホンモノを見るために駆けつける人々が増えることでしょう。休憩施設として大型バスで運ばれる入館者もさらなる出会いを北部で構築できるでしょう。
誘客のためには万葉植物の説明をぜひ加えることも課題かと思います。
そして、最近ある人から京都国立近代美術館http://www.momak.go.jp/
この問題の「人形展」と同時期に開催されていた「ラグジュアリー」展の図録を見せていただき、HPを見て愕然。
この美の殿堂では平安遷都1100年記念祭に続く「京都の近代」を
前衛都市という視点で扱うという予告に、賢者ならばポスト遷都1300年祭の奈良100年の計の
ヒントを読むであろうと新たな気力を奮い起こしました。

奈良県立美術館はかつてならシルクロード博覧会で草原のシルクロード会場として、まだソ連の科学アカデミーが健在であった時代、イラクから直接文物を搬入して野外に平和の象徴ウイングブルを置き、学芸員たちが滞在して一緒に料理を作るなどしていました。
シルクロードで検索して
当時修学旅行生が集めたグッズと感想発見。奈良県では忘却の彼方。
http://the-mqr.hp.infoseek.co.jp/banpaku/silk88.htm

野外彫刻は新しい対話を生みます。また植物や花は人々の心を和らげ、美しいものやホンモノの価値へと誘います。
美術館の新営を県民や多くの観覧者たちの声を反映してダイナミックに展開されるよう重ねてお願い申し上げます。