世界遺産の領有権を巡る新たな問題といえよう。遺産そのものの経済価値を低下させ、危機にひんした遺産とさせてしまう。

カンボジア安保理に緊急会合要請 タイとの国境交戦
2011/2/7 9:53 div/div.JSID_key_html

 【プノンペン=共同】カンボジア北部のヒンズー教寺院遺跡「プレアビヒア」周辺のタイとの国境付近で、両国軍が4日から3日連続で交戦した問題について、カンボジアのフン・セン首相は6日、国連安全保障理事会議長宛てに書簡を送り、タイの攻撃をやめさせるため、安保理の緊急会合を開くよう要請した。

 首相は書簡の中で、タイ側が停戦を破って攻撃を仕掛け、人的被害だけでなく国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産であるプレアビヒアも損傷を受けていると強調。タイの攻撃は国連憲章や、東南アジア諸国連合ASEAN)の基本条約である東南アジア友好協力条約(TAC)などに違反していると非難した。

 カンボジア政府は、6日夜の交戦ではタイ軍の砲撃により、プレアビヒアの一部が損壊したとしている。タイのメディアによると、同夜の交戦でタイ軍兵士10人と村人2人の計12人が負傷した。

 ASEAN議長国インドネシアのマルティ外相は7日にカンボジア、8日にはタイを訪問し仲裁に当たる予定。だが両国は相手側が先に攻撃してきたと主張しており、事態打開につながるかどうかは不透明だ。