美の壺
青磁
10月12日(金) NHK教育 22:00〜22:25
▽“青磁”の青に宇宙あり!皇帝が愛した器
出演 / 谷啓 高橋美鈴
▽中国で生まれた皇帝のための器「青磁」の魅力を解きほぐす。青磁の青は「雨過天青(うかてんせい)」、すなわち雨上がりの雲の切れ間から見える青空を目指した色である。ただ、「雨過天青」は時代ごとに、窯ごとに解釈され、オリーブグリーンから鮮やかな青まで、さまざまな色合いの青磁が生まれた。色の秘密はうわぐすりに含まれる金属にある。先人たちはそれぞれ技で「理想の青」を器の上にとどめようとした。また青磁を鑑賞する上で、見落とせないのは「貫入(かんにゅう)」と呼ばれる表面の”ひび”である。貫入は人知を超えた美の世界へといざなう。青磁の製法は16世紀の終わりごろ、日本に伝わった。九州・佐賀藩の御用焼き「鍋島」と結び付き、鍋島青磁が生まれた。1つの器の中で、青磁と染め付けという2つの青が織り成す世界には日本人独特の美意識が潜む。