「かご」に揺られて。「大仏鉄道」ー近代「けいはんな」発見

ハイテク化一方の昨今、天下泰平、江戸時代の通行手段だった駕籠
(かご)が
奈良・猿沢池畦で、眠りから覚めた亀よろしく、ゆっくりと、そして
しっかり、したたかに”4足歩行”を進めている。
奈良県立大学というJR奈良駅至近の大学を会場に
新世紀まほろば塾というまちづくり塾が開催されていて、
ここに大仏鉄道研究会とともにゲストとして登場。
「どうすればマスメディアに自分たちのイベントや企画を取り上げてもらえるか」
というメディアへの受け方を伝授する巻だったが、
彼らはまさにこれを実践。

飼い主もこれに試乗。
内装は工夫の余地があるが、駕籠により人間の肩と足に
支えられて移動するということには不思議な魅力があると
体感した。

以下のような紹介もある。

http://nara.keizai.biz/headline/181/
また、元来、奈良のローカルメディア出身である駕籠の担ぎ手たちは情報のキャリアでもあり
http://www.nara-kago.jp/というブログで自分たちの活動を紹介・記録している。
そして、大仏鉄道研究会は紙芝居を上演。
赤いイギリス製のおしゃれな車両が緑の中を走っていたって、まさに明治・文明開化のあおによし。
http://www.eonet.ne.jp/~daibutu/
地道な活動と彼らは書いておられるが、地道すぎたようにも思われる。
奈良坂一帯の近代遺産という形で「けいはんな」全体で展開する視点を
誰かが加えていけばもっと多くの人々に知ってもらえ、元来南都文化圏であった学研都市の
象徴的な存在にもなりえたかもしれない。
保存はまだ、間に合うのだろうか?
産官学という呼び声が政府予算で仕分け消滅の危機に瀕している時世だからこそ
その土地の根っこのある文化が再発見される絶好の機会。
18、19日の文化的景観研究会で質問を投じてみたい。