http://www.nhk.or.jp/r2bunka/ch02/1504.html

人は人をどう癒やしてきたか
医学の歴史物語
講師:森岡 恭彦(東京大学名誉教授)今も、医学生たちが卒業して医者の列に加わる時に「ヒポクラテスの誓い」をすることが知られていますが、西洋医学の祖といわれるヒポクラテスはどんな人物でどんな業績を残したから、祖と呼ばれるようになったのでしょうか?そもそも、ギリシア時代には人体はどのように科学され、病気はどのように生じると考えられていたのでしょうか?その後、アレキサンダー大王のマケドニアプトレマイオスのエジプト、更にローマ帝国でのキリスト教国教化から西洋医学はなぜ停滞したのでしょうか。
また周辺のインドやイスラムのサラセン帝国では、どんな医療が行われていたのでしょうか。
キリスト教が人体解剖を非としたために医学や科学が停滞した暗黒時代・中世が終わり、ルネサンスの改革がいちはやく訪れたイタリアをはじめ、イギリス、フランス、ドイツなどで権力者の庇護の下に医学は発展します。更に道具の改良等で医学は臓器・細胞レベル、そして遺伝子レベルへと発展します。
日本では、中国のさまざまな文物と同様にもたらされた医学の有り様はどうだったか、鉄砲伝来と同時期に南蛮からもたらされた西洋医学とどのように出会い、受容されたでしょうか。
3千年の西洋医学の発展を、身近な具体的話題を中心にとりあげ、幅広い西洋医学史に取り組んでいる、東京大学名誉教授の森岡恭彦先生(昭和天皇の手術を執刀)に、わかり易く概観していただきます。

解説 森岡 恭彦(もりおか・やすひこ)
1930年東京生まれ、1955年東大医学部卒業。フランス政府給費留学生などを経て自治医大教授、1981年東大医学部第一外科教授。医学部付属病院長などを経て91年退官。87年昭和天皇の手術を執刀。
数々の書籍を著し、西洋医学の啓蒙に努めている。

放送日 再放送日 副題(予定)
第1回 3/31 4/7 医神の時代と医学の始まり
第2回 4/7 4/14 古代ローマ帝国と中世の医学
第3回 4/14 4/21 ルネッサンスと近代の医学
第4回 4/21 4/28 臨床医学の教育(17〜18世紀)
第5回 4/28 5/5 病院医学の発展(18〜19世紀)
第6回 5/5 5/12 基礎医学の興隆(19〜20世紀)
第7回 5/12 5/19 外科の大発展(19世紀後半)
第8回 5/19 5/26 20世紀医学の躍進
第9回 5/26 6/2 感染症と癌への挑戦(20世紀)
第10回 6/2 6/9 中国・インドの医学
第11回 6/9 6/16 江戸時代の医学
第12回 6/16 6/23 近現代の医学
第13回 6/23 6/30 21世紀 現代医学の課題