飛鳥光の回廊

飛鳥光の回廊ちうイベントが明日香村一体で開催され、石舞台では劇団「時空」による演劇、さらに明日香村の飛鳥資料館と万葉文化館がこの日入館無料になるので出向いてみた。

前者は庭の石の彫刻が面白く、しかし、入場者は稀少であろうとの危惧から。(なお、本日9月20日は、葛の日ということで、飛鳥資料館前に所在する葛花という店で
直径60センチの巨大葛餅が搗かれたらしい。遅かりし!)

いずれもいつも無料で入れる図書部門が9時まで開いているというのが魅力的。そして後者は、金銭を払って入館すると
大変なストレスが発生するからである。売店も数万円の絵画模造品や数千円の本を置いていながら、どうしてクレジットカードが使えないのかと見るたびに疑問。

万葉の絵画コーナーはまあ、よいとしよう。
しかし、展示コーナーに至るエントランスのガラスの花造形は一体いかなる意味なのか。
吹き抜けにして飛鳥の空を見せたほうがはるかに素晴らしい。
さらに、地下の展示たるや。
入るなり「奈良の奈良の大仏さんは・・・」というわらべ歌が聞こえてきて何やら薄暗い中を異様なライティングで迎える。
開館から8年が経過したいまだに合成樹脂の匂いが立ち込めて、窒息しそうで詳細な展示を読もうという気分にもなれない。
構造としては京都文化博物館の常設に該当するのだろうが、このセンスのなさ、さらにいえば、肌に感じるグロテスクさは
大意要約という抽象的な理解を備えることなく、ありとあらゆる業者にめくばりして金銭をばら撒いたとしかいえない悪趣味に起因するようだ。見学はたしか3回目で昨年だったか、大阪の知人と一緒にあるいたときに、万葉の世界というよりは「K知事の15年以上続いた長期政権癒着の象徴」と説明する以外に言葉が出なかった。
莫大な予算を費やしてガラクタに仕立てた展示部門の最後のコーナーに、この館の建設先行して実施された発掘調査で出土した
「冨本銭」関連展示がある。これなど無料コーナーに持ってくるべきだろう。
天武天皇の国家草創の意気込みを担った官営工房、ものづくりの出発点、こんな視点でリメイクできないものか。